2014年6月2日月曜日

かんちがいリーダーになっていませんか?



営業チーム強化コンサルタントの庄司充です。

TV番組の制作会社の人から聞いた話ですが、タレントの中には番組スタッフに対してやたらとえらそうにふるまう人がいるそうです。

元天然素材メンバーのお笑い芸人Hや、先生役で有名な役者のTなんかは特にひどかったそうで、はじめに現場にいちゃもんをつけて不機嫌な態度をとり、困ったスタッフが自分の機嫌をうかがうようになってから仕事をはじめるのだそうです。

制作会社の人は、「あれは自信がないタレントがやる常套手段なんですよ。」と言っていました。

もしかすると、本人の器以上に注目を浴びてしまって、そのプレッシャーに負けないために必死で虚勢をはっているのかもしれません。

う~ん、これは多かれ少なかれ、思いあたるふしがありますよね~

人は臆病な生き物ですから、プレッシャーの強い場面や不安な状況のなかで自分を大きく見せようとしてしまうのは自己防衛の手段としてある程度仕方ないことなのかもしれません。

ただひとつ、絶対にやってほしくないことがあります。

それは、自分がリーダーになったとき、メンバーに対してなめられまいと虚勢をはってしまうことです。

リーダーになったとたんに、責任感とプレッシャーからメンバーから尊敬されるようなすごい人でなければならないと思ってしまい、とつぜんキャラクターが変わってしまう人がいます。

セミナーや研修で「わたしよりベテランで年上の部下がいるのですが、どのように接したらいいでしょうか?」という質問をしてくる人なんかは、きっとそんなふうに思ってしまっているのではないでしょうか。

そんなときわたしは「むりに上に立とうとする必要はありません。」と答えています。

ここで、リーダーの役割について確認しておきましょう。

リーダーの役割は何か?

それは、

「力を合わせて チームの目標を達成すること」

そのために指揮をとることがリーダーの仕事です。

つまり、わたしがお伝えしているリーダーというのは、「いちばん偉い人」でも「いちばんできる人」でもありません。「指揮をとる」という機能を果たす人のことなのです。

では、メンバーが指揮者であるリーダーに求めることは何でしょう?

それは、

「ひとりひとりの力を引き出して チームを最高の状態にしてくれること」

です。

たとえば、SMAPのエースはキムタクでグループ内での存在感もダントツですが、リーダーはキムタクではなく、一見おちゃらけたキャラクターの中居です。
しかし、SMAPが国民的アイドルといわれるまでになれたのは、中居のリーダーとしての働きが大きかったようなのです。

これは聞いた話ですが、SMAPがまだ売れ出したばかりのころ、人気面で出遅れた感が強かった草薙剛を「彼の人気が出ないとSMAPはダメになるんです!」といってTV局に必死で売り込んでいたのが中居だそうです。

メンバーは、チームのために「献身的に仕事をする人」を信頼し、「自分を活かしてくれる人」についてくるのです。

よく、新しい部署に責任者として着任すると、まだ現場のことをよくわかってもいないのにトンチンカンな指示を押しつけてくる人がいます。おそらく自分の存在感や威厳を示そうとしているのでしょうが、現場にしてみれば迷惑以外の何ものでもありません。

なれない現場に行ったときにリーダーがまずやるべきことは、"現場のじゃまをしないこと"です。

そのうえで、一段高い視点(上から目線ではありませんよ)で現場の状況をしっかり把握して、必要なところは直していく、という過程が必要です。

リーダーの威厳は、権威をふりかざすことではなく「誰よりも高い視点でチームのことを考えている」その姿勢によって示されるのです。

あなたがリーダーの立場になったとき、自分の行動はチームの目標を達成するために考えたことなのか、それとも自分の存在感を示すためにやってしまっていることなのか、もう一度心の中を確認して、現場にとって迷惑なだけのかんちがいリーダーにならないように気をつけましょう。

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