2014年5月19日月曜日

「売れるまで帰ってくるな!」と怒るのは効果的か


営業チーム強化コンサルタントの庄司充です



世間では、営業マンと言えば「さぼり」の代名詞のように言われますよね。

「行ってきまーす」と、一歩外に出てしまえば、どこで何をやっているのかわからないのですから、それも当然のことかもしれません。

実際、喫茶店に行っても、パチンコ屋に行っても、映画館に行っても、ともすればサウナにすら営業マンはいます。

わたしが20代のころ「日本人は働きバチだ」と言われていましたが、そういう光景を目の当たりにして「絶対うそだ」と思っていましたし、かくいうわたしも喫茶店はもちろん、朝まで飲んだ次の日は、山手線1周爆睡コースなんてこともよくありました(若かった・・・)

それでも成績さえ上げていれば、誰にも文句を言われず自分のペースで仕事ができるわけですから、我々のように管理されるのがきらいな人種にはうってつけの仕事だったわけです。

だからこそ、ポケベル(なつかしい)なんてものが登場した時には、開発したやつに説教してやろうかと思いました(笑)

ましてや今は携帯電話があたりまえの時代、以前のように気楽にさぼったりできないのでしょうね。

世の中には、営業マンをさぼらせないようにすることが上司の仕事と思っているような人がたくさんいますが、営業マンをさぼらせないようにすることがほんとうに大事なのでしょうか?

わたしの答えは NO です。

なぜなら、さぼるのが楽しくてさぼっている人はほとんどいないからです。

まず、売れてる営業マンについてですが、これはさぼっているのではありません。

喫茶店で頭の中を整理したり、落ち込んでいるときには気分を変えるために公園に行ったり、たまには映画を見たりしています。

こうした自己管理ができる人に、他者からの介入は逆効果です。

では、売れていない人はどうでしょう?

売れていない人もさぼりたくてさぼっているのではありません。
売れていないのにコーヒーを飲んでおいしいわけがありません。
売れていないの映画を見ておもしろいはずがありません。

売れていない人がさぼっているのは、どうしていいのかわからくなって身動きが取れなくなっているのです。

営業に行けば「必要ありません!」とお客さんに怒られる、会社に戻れば「売れるまで帰ってくるな!」と上司に怒られる、前にも後ろにも進めなくなって、やむを得ず真っ暗な気持ちで喫茶店で時間を過ごしているのです。

こんな状態になっている人に「さぼるな!とにかく客先に行け!営業は気合だ!」とか言って、はたして意味があるのでしょうか?

こういうことをやっている会社や営業責任者が、根本的にまちがえているのは、

「さぼっているから売れていない」

と思っていることです。

そうではありません。

「どうしていいかわからなくなって、仕方なくさぼっている」のです。

ほとんどの営業マンは、もともとやる気があるのです。
一生懸命動こうとしているのです。

だけど、その動きが成果に結びつかない状態が続くと、どうしていいかわからなくなって身動きが取れなくなってしまうのです。

こういう営業マンをつくらないようにするために会社やリーダーがやるべきことは、さぼらせないように管理を強化することではありません。ましてITを使った営業管理システムを導入することではありません。

会社やリーダーがやるべきことは、もう一度、自社の営業の作業工程を確認することです。

ターゲットの再確認、リストアップの方法、事前に調べておくべきお客さんの情報、ファーストアプローチの際のトーク、そのときに見せる資料の内容、等々

作業工程を確認したら、そのなかの重要指標をピックアップして、結果ではなく進捗を把握するためのツールをつかって誰がどこでつまづいているのかをわかるようにして、そのうえで的確な指導やアドバイスをする、という作業が必要なのです。

これをプロセスマネジメントといいます。

今の市場は「行けば売れる」市場ではありません。
いくらがんばっても、売り方をまちがえるとまったく売れません。

そんな市場で、リーダーのあなたがやるべきことは、「営業マンをさぼらせないこと」ではなく「営業マンがさぼらなくてもいい状況」をつくってあげることなのです。

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