2013年4月15日月曜日

社員が育つ環境をつくるために必要なこと(その1)

 
 以前のブログで、ワンマン社長の父の後を継ぐ二代目社長がしばしばはまり込む「民主的経営の罠」について書きました。
 
 
 中小企業の社長が社員を怒鳴りつけて動かす強権的なスタイルであることなんて珍しくないです。二代目がこれに反発するのもよくあるパターン。でもワンマン経営から脱しようとして「社員の自主性を重んじ、個の力を活かすマネジメント」を目指しても、これがそうそうカンタンじゃあない。
 
 
 
 ワンマン経営というのは一強他弱なもので、リーダーである社長だけがビジネス上の判断力を持っていて、他の社員には力がない場合がよくあります。ちなみにこれ、「権限がない」のではなく、「能力自体が鳴かず飛ばず」という意味です。
 
 
 
 
 
 
 こういう状況じゃ、社長はうかつに「権限委譲」、英語で言えばエンパワーメントですか?なんてできません。とても無理な相談です。力がついてないので自由にやらせたらしくじる。だからうるさく指示命令して怒鳴りつける。その結果いつまでも「自分で判断」することができず、社員の力は伸びていかない。これぞ典型的な悪循環。
 
 
 
 「権限がない」のと「能力が伸びない」のは原因と結果の表裏一体のようなもので、社員がしくじってもしくじってもぐっとこらえて「成長を待つ」ぐらいの姿勢でかからないと、人材は育たないんですね。
 
 でも、それをやろうとすると、一時的に会社の業績は落ちます。
 
 
 
 
 
 ガミガミ指示命令して社員を動かすと、とりあえず「社長の能力の限界」で会社が動きます。図中のAの赤線ですね。でも、ぐっとこらえて社員にまかせると、少なくとも一時的には図中Bの青線のレベルまで落ちてしまいます。これ、ものすごーく怖くないですか? 「このまま育たなかったらどうしよう・・・」そんな恐れが出てきたら、とてもこの状態は続けていられません。
 
 
 
 だから、なんとか「短期間で社員が育つ」工夫をしなければいけないわけです。その工夫なしに「個の力を活かす経営」なんて論外な夢物語。

 
 理想は、1人1人の社員の力を伸ばし、それがうまくかみ合った「チーム」にすることで、社長1人の能力の限界をはるかに超えた力を「チーム」が発揮できるようにすること。そうすれば、社長も社員も「笑ってお仕事」できるようになります。
 
 
 
 ではそのために何をしなければならないか。
 
 一言で言うと、「PDCAをまわせるような仕組みを作る」必要があります。
 
 
 
ここでPDCAなんていうと、「なんだよ、そんな話か そんなこと知ってるよ!」という声が聞こえてきそうですね。
 
確かに会社の経営をやっている人でPDCAという言葉を知らない人はいないでしょう。
 
そして、研究開発や製造工程のなかでは実際に行なわれていることも多いでしょう。
 
 
 
ところが!
 
こと営業ということになると、これがまったく実行されていない、わたしの経験からいうと、それは大手だろうが中小だろうが営業部門でPDCAを回している会社はほとんど見たことがないのです!
 
 
 
つづく

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